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iOSエンジニアはフリーランスで稼げるのか?

結論から先に言えば、iOSエンジニアはフリーランスでも稼げる職種です。正社員としての収入も悪くないiOSエンジニアですが、フリーランスの場合は年収1000万円以上も狙えると言われています。もちろん年収1000万円以上を稼ぐiOSエンジニアになるためには、十分なスキルや経験を積むことが必要です。ではなぜiOSエンジニアはフリーランスでも正社員でも「稼げる」職種なのでしょうか?

iOSエンジニアの需要

iOSエンジニアの年収が高めである理由の一つに、iOSの需要の高さが挙げられます。iOSはAppleの製品であるiPhoneに搭載されているOSです。そして、日本におけるiPhoneのシェアは2020年9月の時点で57%だと言われています。2018年頃には一時的にAndroidにシェアを逆転された時期もありましたが、2019年の新製品発売以降、再び日本におけるスマホOSシェアではトップの座を取り返しています。

ユーザーが多い領域に製品を投入することは、販売の基本です。iOSデバイスであるiPhoneのユーザーが必ず使うもの=iOS対応のアプリですから、リリースしたアプリがiPhoneユーザーの間で人気アプリになれば、アプリを制作・リリースした企業や個人開発者は大きな収益を上げることができます。このことがiOSエンジニアの高い需要と、平均的に高めの年収を生み出しているのです。

iOSエンジニアのトレンド

需要が高いiOSエンジニア、そしてiOSを取り巻く環境においてはどのようなアプリが求められているのでしょうか?ユーザーや市場からの要求が高い、トレンドと言えるのがどんなものかを知ることはフリーランスのiOSエンジニアが年収を高めていくために必要です。

トレンドは日々変化していくものですが、2020年10月を基準に考えてみれば、「AI分野」「カーシェア・ドライブシェア分野」「デリバリー分野」「ゲーム分野」などがあげられるでしょう。AIに関してはAppleそのものがSiriという人工知能を開発&ブラッシュアップし続けていることからも重要性が知られています。カーシェア・ドライブシェアに関しては、日本においてはタクシーの配車アプリが統廃合を続けています。その裏では優れた機能やユーザビリティが日々追求されている=iOSエンジニアが日々開発し続けていることを意味します。

コロナ禍においては他人との接触を避けるため、テイクアウトやデリバリーサービスが盛んになってきました。そのため、これまでデリバリーに参入していなかったお店や企業がデリバリーを行うためのプラットフォームとして、オーダー用のスマホアプリへのニーズが高まっています。

ゲームは以前からもiOSエンジニアにとっては身近な開発分野でしたが、外出する機会が以前よりも減少している状況においては、娯楽としてのゲームは存在感を増しています。コンシューマー機の品薄が続いていることもあり、iOS向けを代表とするスマホゲームアプリのリリースは引き続き盛況です。

iOSエンジニアの仕事内容

iOSエンジニアの具体的な仕事内容を確認しておきましょう。正社員でもフリーランスでも、iOSエンジニアの働き方や仕事内容に大きな差はありません。フリーランスも含めて全てのiOSエンジニアが、これからご紹介する仕事のうちどれかに従事することになります。

iOSアプリの開発

iOSエンジニアが最も注力する作業がiOSアプリの開発です。iPhoneだけではなく、iPadでも動作するiOSアプリは世界中で使用されています。

アプリの仕様を決め、設計書や仕様書を作成し、実際にコーディングしてアプリを開発していきます。開発するアプリの種類はプロジェクトによって多種多様です。シンプルなメモアプリなどは1人~数人程度の小規模なグループで開発することもありますが、通販サイトと直結したアプリやWebサービスと連動したアプリ、iPhoneとiPad双方に対応するユニバーサルアプリなどを開発する場合は10人単位のチームで開発を進めることもあります。

App Store市場調査の実施

自社や個人が開発しようとしているアプリのジャンルや機能に需要はあるのかどうか。類似するアプリがすでにリリースされているかどうか。様々なケースを想定し、問題なく開発を進めて良いかどうかの判断をしなければなりません。iOSアプリをリリースするためにはAppleの審査を通過し、承認を得る必要があります。Appleの審査基準は全てが明示されているわけではありませんが、一般的にはあまりにも他のアプリと類似性が高い場合は審査が通りません。そのため、開発をスタートする前の段階で、開発予定のアプリ仕様が他の同ジャンルアプリと似すぎていないかどうかなどを調べて把握しておく必要があるのです。

バックエンド&インフラの管理

iOSアプリの中にはサーバーを経由してネットワークと通信を行い、データを双方向でやり取りするものがあります。このようなタイプのアプリでは、ユーザーが増加した場合に通信量も増加し、使用するサーバーに負荷がかかる可能性が考えられます。ユーザーの利便性を確保し続けるためには、サーバーダウンを起こさないことが重要です。

規模が大きなサービスと連動したアプリでは、複数のサーバーとサービスを組み合わせて稼働することがあります。そのためサーバー管理やメンテナンス知識に加え、クラウド環境の構築や運用に関する知識など、バックエンドやインフラに関する知識も必要になる場合があります。

iOSエンジニアに必要な言語

iOSエンジニアとして働くために必要なプログラミング言語はどのようなものなのかをご紹介します。

Swift

日本国内では50%を超える市場シェアを持つiPhoneに搭載されるiOS向けアプリは、日常的に使われ、動作することになります。想定されるユーザー側の使い方が崩れない安定した動作を実現するためのアプリ開発に必要なプログラミング言語が「Swift」です。

Swiftは2014年にAppleが発表した、Apple開発のプログラミング言語です。2014年以前のiOSアプリ開発にはObjective-Cが用いられていましたが、「幅広く、多様な開発者が参入すべき」というAppleの方針を体現するために作られたのがSwiftです。それまで用いられていたObjective-Cよりもわかりやすくシンプルであることが特徴でありメリットだとされているSwiftは、未経験者でも習得しやすい言語だと言われています。

Swiftで開発できるのはiPhone向けアプリ、iPad向けアプリ、そしてMac向けアプリとなっており、Appleが販売するデバイス上に対応する全てのアプリはSwiftで開発することが可能です。つまり、Swiftを習得し経験を積んでいけばただのiOSエンジニアとしてだけではなく、Mac向けのアプリケーションを開発することもできるマルチなエンジニアとして案件を獲得することも視野に入れられます。

iOSエンジニアがフリーランスで稼ぐ方法

iOSエンジニアとして働く環境としてISPやアプリ制作会社など、正社員としてのiOSエンジニアを必要としている会社がある一方で、フリーランスとしても活躍の場があります。

フリーランスとしてプロジェクトに参加する

規模の大きなプロジェクトの場合は必要なiOSエンジニアの人数も多くなります。そのような場合はプロジェクト限定でフリーランスのエンジニアを開発チームに招いたり、協力会社からエンジニアを派遣してもらうことがあります。経験とスキルがあればこのようなプロジェクト案件に入って開発を行うことができ、なおかつ経験を積むことも可能です。プロジェクト途中から参加の場合もありますが、原則としては要求作業範囲が決められているか、もしくはプロジェクト終了までという契約になりますので収入面も安定します。

例えば大手企業のポータルアプリや、複数サービスを一箇所で管理するタイプのアプリを開発するプロジェクトの場合は、各企業のロゴやコーポレートルールを確認するために様々なデザイナーと打ち合わせをする機会もあります。各サービスへの導線がビジュアル的に統一されるようにUIやUXを再設計することもあり得ますので、他のチームやプロジェクト外の人達とコミュニケーションを取る機会も多くなるでしょう。

個人でアプリを開発してリリースする

開発経験を積んでいけば、個人でアプリを開発することも可能になります。未経験の状態からも個人でのアプリ開発は可能ですが、開発経験があればリリースまでの流れがスムーズになることは間違いありません。

個人開発のアプリは販売型と広告収入型の2通りで収入を得ることが可能です。1人での開発では、リリースまでに時間がかかることもありますが、人気が高く市場からの評価も高いアプリは企業からの買取オファーが来る可能性もあります。

1.販売型

販売型のアプリビジネスはApp Storeでアプリを公開し、有料で販売するビジネスです。Appleは毎年6月に開催する開発者向け会議WWDCでApp Storeを通じた売上高を発表します。2020年6月のWWDCにおいて、Appleは2019年度にApp Storeを通じて計上された売上金額は日本円で56兆円だと発表しました。アプリ単体のみの売上金額ではなく、アプリの月額課金なども含む金額ではありますが、App Storeのビジネス規模がどれほど巨大なのかがよくわかる数字です。「アプリの販売」をApp Storeで行うということは、56兆円の市場でビジネスを行ことを意味します。そしてこのビジネスは企業でなくても参入できるというのが大きな魅力の一つだと言えます。

2.広告収入型

広告収入型のアプリビジネスは、App Storeでは無料アプリとしてアプリを配布し、広告配信事業者と提携することでダウンロードされたアプリに広告を配信するビジネスです。ユーザーがアプリを開いた時に配信された広告が表示され、「ユーザーがクリックする」「アプリ内で広告が表示される」「表示された広告からユーザーが商品を購入する」のいずれかによって、アプリ開発者が収益を得られるビジネスモデルになっています。企業ではなくても、企業活動の一端を個人が担うことで収益を上げることが可能なのが広告収入型です。

まとめ

iOSエンジニアはフリーランスでも稼げる職種だということについて解説してきました。

1.iOS(iPhone、iPad)の日本におけるシェアが高いこと

2.企業の開発プロジェクトや個人開発でのリリースなど、開発ルートが複数あること

3.個人開発のアプリでも収益化のルートが複数あること

大きく分けて上記3つがiOSエンジニアがフリーランスでも稼げる理由として挙げられます。需要の大きいiOS市場で活躍できるエンジニアとして、自身の活躍の場を広げていきましょう!