支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


はじめに

本記事ではJava言語での開発におけるフレームワークのひとつである「Spring Framework」の特徴やどんな仕事に使われているのかといった点について、Java学習初心者の方にも分かりやすいように取り上げていきたいと思います。

フレームワークとは?

Spring Frameworkの話に入る前に、まずは「フレームワーク」について解説していきましょう。

例えば、皆さんがExcelを使用し、家計簿を作ろうとしているとしましょう。何もないまっさらな状態から、枠組みを一からつくらなければいけないので、知識が無ければ何から手を付けたらいいのか分からなかったり、完成までにはああやってみたりこうやってみたりと何かと手間がかかるなど、効率がよくありません。そんな時に思い浮かぶものと言えば、Excelのシートの枠組みが自由に使える「テンプレート」です。テンプレートを使うことにより、家計簿を作った経験がない人でも簡単に家計簿を作ることができるわけですが、プログラミングに置き換えると、システム開発を比較的簡単におこなえるようにあらかじめ用意された”ひな形”のことを「フレームワーク」といいます。
フレームワークを使えば、無駄なコードを書く手間を省き、より効率的に開発をおこなうことができるメリットがあります。またフレームワークにはある程度コードの書き方にもルールが設けられているため、コードの書き方にも統一性を持つことができ、大規模なチーム開発の現場にはとても向いています。また、コードの読み易さによりバグの修正なども容易で、システムの保守性の向上にも繋がります。

Spring Frameworkとは?

先述の「フレームワーク」の一つで、プログラミング言語の中でも「Java」言語の開発環境において使用できるフレームワークです。開発言語に向けたフレームワークは様々ですが、「Java」に向けた主なフレームワークは「Play Framework」と「Spring Framework」があり、Spring Frameworkは豊富な機能を提供しており、比較的大きなプロジェクトでも採用されることが多いです。機能が豊富なゆえに、機能の使い分けが難しいと感じてしまう開発者に向けた小・中規模での現場でも取り入れやすいコンパクトタイプ”Spring Boot”というフレームワークも、またSpring Frameworkを構成するフレームワークの一部でもあります。このように「Spring Framework」は、機能に応じた多数のフレームワークで構成された「フレームワークの集合体」と言えます。

Spring Frameworkの主な特徴

◇"DI"という機能

DI(Dependency Injection)とは、「依存性注入」と呼ばれる機能の事ですが、これだけではなんのこっちゃ、と思うでしょう。実際、Javaを勉強されている初心者の方にはなかなか分かりづらい部分であると言えます。なので今回はかなりイメージ的な表現に留めておきますが、例えば2つのクラスがあるとして、この2つがお互い関係性を持っている場合は、両方が仕上がったクラスでないとコンパイルもできず、動作のテストをおこなう事もできません。このような関係はお互い”依存した”関係になるわけですが、これにより、2つの中のどこかに異常があった場合は双方が使えなくなってしまい、原因を探る際もどちらに原因があったのか、単体に焦点を絞れず特定しづらくなります。そこでこの”依存性”、つまり2つのクラスの中で依存している部分の情報を、外で定義して後から注入してあげる。そうすれば、双方依存性がなくなり単体でもテストができる、といったことです。
Spring FrameworkといえばDI、と言われるほどこの機能は実際によく使われる機能ですので是非覚えておきましょう。

どのような仕事で使われているの?

Spring Frameworkは仮想通貨取引や予約受付サービス、ECサイトの構築など、WebシステムやWebサービスに関するもので大規模な開発に渡るまで様々な開発に適しています。機能が豊富なSpring Frameworkであるからこそどんな開発にも柔軟に対応できることが理由です。そして、Spring Frameworkを扱う案件は今でも多く、経験や知識があれば安心を得られるフレームワークでもあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
Javaを勉強されている方が少しでもフレームワーク、そしてSpring Frameworkについて理解を広げていただければ幸いです。ただ、フレームワークを活用する事で、開発の効率はぐんと上がります。ただその反面、開発初心者が便利なフレームワークに頼りすぎてしまうと、どのような構造で開発をしているのか理解していないまま、なんとなく実装したらシステムを動かせてしまえた、なんていう事が起きてしまい、プログラマ自身のコーディングスキルが身に付きづらくなる可能性があります。開発初心者の方はそのような点もしっかりと理解した上で、現場で役に立つフレームワークの知識を蓄えていっていただければと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。