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フリーランスの結婚につきまとう危険

フリーランスが結婚を考える時に予め知っておくべきことがあります。

・収入が不安定

・社会的信用が低い

・保険や年金の手続きが違う

フリーランスはサラリーマンとは違い、さまざまな危険性を秘めています。そのため上記の問題点についてきちんと把握しておく必要があります。

収入が不安定

まず初めにフリーランスが結婚を考える時には、収入が不安定であることを再認識した方が良いです。 なぜなら結婚相手やその家族や友人は、あなた以上に収入が不安定であることを不安に思っています。
しかし、フリーランスはサラリーマンの固定収入とは異なるため、自分の努力次第では多く稼げるというメリットがあるのも確かです。

最近とったアンケートで、結婚相手に求めるものとして「年収」と「働き方」が比較されました。 そのアンケートによると、6割が「働き方」4割が「収入」を選択したという内容でした。
正規雇用の割合が減少しつつある現代で、結婚相手に必ずしも「安定収入」を求めているわけではないということが数字として表れています。

ただ、フリーランスである以上「収入が不安定」であることを事実として受け入れ、結婚相手を不安にさせない程度に「稼げるフリーランス」である必要はありそうですね。

社会的信用が低い

次にフリーランスが結婚を考える時には、社会的信用が低いということも覚えておかなければいけません。
一般的に、定職についており大手企業に所属しているほど社会的信用が高いです。 社会的信用とは、自分が第三者からどのように見えているかの指標のため、「自分は気にしない」と思っていても結婚を考えると話が変わります。

社会的信用が低いと起こりうる事を簡単にまとめました。

・家が借りれない場合がある

・住宅ローンを組めない場合がある

・クレジットカードを作成できない場合がある

・業務上の損害を考慮し取引できない場合がある

結婚を考えた場合、上記の内容はどれも重要な内容です。 近年では共働きの家庭が増えているので、結婚相手が正規雇用の場合は問題にならないこともあります。
しかし、フリーランスが社会的信用が低い扱いを受けていることは事実のため「収入を増やし、確定申告をして、開業届を提出し屋号を持つ」など、社会的信用を高める必要がありますね。

保険や年金の手続きが違う

次にフリーランスが結婚を考える時には、保険や年金の手続きが違うことを考えましょう。 サラリーマンの保険は「社会保険」年金は「厚生年金」ですが、フリーランスは「国民健康保険」と「国民年金」である場合が多いです。
サラリーマンの保険・年金とフリーランスの保険・年金での最大の違いは「結婚相手が扶養に入る」かどうかです。 結婚相手が扶養に入ると、結婚相手分の保険と年金が負担が無くなります。
※結婚相手が扶養に入るには所得により条件があります。

しかし、フリーランスの保険・年金には配偶者の扶養の考えがありません。 従って、あなたと結婚相手の2人分の保険や年金の支払いが生じます。
結婚相手が正規雇用で、フリーランスでのあなたの収入が少ない場合は結婚相手の扶養に入るという選択肢もありますが、扶養の認定に関する基準や保険組合によって扶養認定されないこともあるので注意が必要です。

フリーランスが結婚前にしておくこと

フリーランスの結婚につきまとう危険について説明をしました。 続いては、フリーランスが結婚前にしておく必要のあることをまとめたため、1つずつ解説していきます。

予め資金を貯めておく

フリーランスは収入が不安定であるため、万が一に備えて資金を貯めておくことをおすすめします。 業務が軌道に乗っている時や、取引先に困っていない時は万が一の事など考えない人が多いです。
しかし、世界的な伝染病の拡大や社会的な恐慌が発生した時に、真っ先に影響を受けるのは小さな組織と言われています。

フリーランスは小さな組織の代表です。 世界的な伝染病の拡大や社会的な恐慌が発生した時の国や地方自治体の支援は、フリーランスよりも企業の方が手厚いです。
また取引先の選定も、より安定した業務体系の企業を選ぶようになる事が予想されるため、フリーランスのような不安定な業務体系の取引先は真っ先に契約を切られてしまう危険性もあります。 万が一の事態にも十分対応できるように資金を貯めておきましょう。

保険や年金について学んでおく

フリーランスの場合、業務上の事由による病気やケガの療養のための休業中の収入が保証されません。

自分が働けなくなった時のことも考えて、休業補償をしてくれる保険に加入するなどの対応が必要です。 結婚前の時間がある時に、保険や年金について改めて考えておきましょう。

ローンが組めないかもしれないことは想定しておく

フリーランスは社会的信用が低いということは説明しました。 そのためフリーランスは、ローンの取り組みができない可能性があることを想定しておく必要があります。
一般的に、正規雇用者は1年以上の勤続が証明できて信用情報に問題がない場合、ローンの取り組みが可能とされています。

しかしフリーランスの場合、正規雇用者よりも「返済能力」に欠けていると判断されます。 そのため、フリーランスは過去3年分の確定申告や納税証明などを提出し厳重に審査した上でローンの取り組みが可能か判断されるのです。
家を購入する、資金調達をする、クレジットカードを作成する、スマートフォンを購入するなど生活のあらゆる場面で社会的信用を見られる場面があるため、結婚前から社会的信用を害さない行動を取るようにしましょう。

稼げなくなった時のことを考える

フリーランスとして稼げなくなった時のことも結婚前に考えておきましょう。 独身で自分一人であれば新事業に取り組むなど、少し挑戦的な行動を取っても良いかもしれません。

しかし、結婚相手や子供が生活していけるための行動をすぐに取れるように考えておく必要があります。
例えば、フリーランスとしての稼ぎで生活が難しくなった場合、働きに出ることを決めておくなどです。 予め決めておかなければ「まだ大丈夫」「もう少ししたら稼ぎが戻る」などいつまで経っても決断ができません。
フリーランスとして生きていく決意も大切ですが、家族を考えることが最優先です。

相手の仕事に対する理解

フリーランスという仕事を、結婚前に結婚相手に理解してもらいましょう。 フリーランスには安定収入・ボーナス・退職金はありません。
また、勤務時間に決まりはないため仕事時間が長くなり家族の時間が取れなくなることもあるなど、予めフリーランスという勤務体系についての理解を得る必要があります。結婚相手がフリーランスに理解があり結婚をするのであれば、万が一の事態にも対応ができます。
「結婚・家族形成に関する意識調査」の「家事・育児分担」の項目で、フリーランスは正規雇用者より10%以上家事・育児を夫婦で共同で行うというデータがあります。 他にも、フリーランスなので常に家に親が在中しており、お子様のお迎えや緊急時の時でも対応がしやすいという意見が多くあります。
必ずしも「正社員=安定」と言う世の中ではなくなってきています。

ただ、フリーランスは、収入が不安定で社会的信用が低いなどのイメージがあるので、結婚相手の親族や友人はとても心配です。 周囲の声や世間的なイメージにより、結婚相手が結婚生活に悩んでしまう事がないように心がけましょう。

フリーランスが結婚後気をつけたいこと

フリーランスが結婚後に気をつけたいことをまとめました。
実際フリーランスの結婚で大事なのは結婚前の準備よりも、結婚してからの行動です。 幸せな家庭を築けるように、日々どういったことに注意していけばいいのかきちんと考えておきましょう。

家族の時間も大切にする

フリーランスは正規雇用者とは異なり、自分が仕事をしたいときにできるため平日も休日もありません。
そのため、家族との時間をいつでも取れるように思えます。

しかし、フリーランスとしての仕事が忙しくなると家族との時間を取れなくなる程、時間がないという結果になりやすいです。 フリーランスは仕事が多いとそれだけ収入に直結するので、仕事に集中しすぎる事で夫婦仲の悪化や家族の不満がでてくることにつながる可能性があります。そのため仕事とプライベートは明確にわけるなど、結婚後の業務体系は工夫が必要です。

就職の道も残しておく

「稼げなかった時のことも考える」にて説明をしましたが、フリーランスで稼げなくなった場合、就職という選択肢も持てるように心構えしておきましょう。 フリーランスとして不自由のない結婚生活をおくることが一番だと思います。

しかし、ご自身の努力次第ではどうにもならない事態が起きる可能性もあるので、いざという時は家族との生活を死守するためにも、就職するという決断が遅くならないように予め頭の片隅に置いておいて下さい。
就職しながらフリーランスとしての業務を再び始める事も可能です。 結婚すると自分一人だけの人生ではない事を覚えておきましょう。

家族が増えることで利用できる節税を理解する

フリーランスが結婚をして家族が増えることで利用できる節税があります。

・扶養控除

・配偶者控除

以上についてまとめていますので、ご覧下さい。

扶養控除

扶養控除とは、フリーランスである本人と配偶者以外で養う必要がある親族(子供・親など)がいる場合、フリーランスが納める税金負担を軽減できる制度です。
しかしフリーランス扶養控除を受けるには条件があります。

・配偶者以外の親族

・扶養親族が年末時点で16歳以上

・扶養親族の給与収入が年間103万円以下

などがあります。 フリーランスの扶養控除額は扶養親族の年齢によりますが、38万~63万円です。

配偶者控除

配偶者控除とは、結婚相手(配偶者)が扶養に入る事でフリーランスが納める税金負担を軽減できる制度です。 扶養控除と同様に、フリーランスが配偶者控除を受けるには条件があります。

民法上の配偶者である(内縁関係は対象外)

配偶者が年末時点でフリーランスと生計を一にしている

配偶者の以下給与所得が103万円以下

配偶者が青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない

配偶者が白色申告者の事業専従者でない

などがあります。 フリーランスの配偶者控除額はフリーランスの合計所得によりますが、13万~38万円です。
フリーランスの所得税・住民税が少しでも軽減され節税できるので、扶養控除・配偶者控除は必ず押さえておきましょう。

フリーランスの結婚は怖くない!

フリーランスの結婚についての様々な点を説明しました。
一見、フリーランスの結婚は危険で不安定な印象がありますが、結婚前に結婚相手ときちんと協議し、万が一に備える事で十分に可能であることがわかりました。 フリーランスの結婚は、備えあれば患いなしを厳守することで上手くいきます。