イラストレーターに就職するには?仕事内容や就職までの流れを知ろう
はじめに
絵が得意・好きな人が一度は夢見たであろう「イラストレーター」は、様々な媒体や形式を対象に仕事をし、活躍の場も多い職業です。今回はイラストレーターとして就職したい人向けにイラストレーターの仕事内容や就職するまでの流れなどについて紹介していきます。
イラストレーターとは?
イラストレーターとは、クライアントから依頼を受けイラストを描く職業を指しますが、漫画家、グラフィックデザイナー、ブロガー、近年ではインスタグラマーといった職業を兼ねている場合もあります。
雑誌やポスターのような印刷物、本の挿絵、Webサイトのロゴやイラスト、ゲームのキャラクター、商品パッケージのイラストなど仕事は多岐に渡ります。イラストの技術やセンスはもちろん、クライアントの要望への対応力、コミュニケーション能力が求められる職業です。
近頃はデジタルでの作業が主流になっていますが、アナログで作業することもあります。
イラストレーターの仕事内容
受注
クライアントからイラスト制作の依頼が来たら、依頼内容や納期、または報酬を踏まえ受けるかどうか決めます。受けると決まったら、クライアントと打ち合わせをし、構図やテーマ、使用する色、NG項目などについて詳細を詰めていきます。
下書き(ラフ)を描く
まずは下書き(着色前)を制作し、クライアントに提出します。構図やイラスト自体に問題がないか確認してもらい、OKが出れば次の工程に進みます。提出した下書きがクライアントのイメージに合わない場合、修正して再度提出することになります。
着色する
下書きにOKが出れば、着色に入り仕上げていきます。着色が終わったら、クライアントに提出し確認してもらい要望通りであるか、問題がないかを確認してもらいます。OKが出れば、いよいよ納品の工程に移ります。
納品
描き上げたイラストのデータを、大抵の場合メールやデータ便で納品します。イラストの枚数や容量が多い場合は圧縮するか、データ入りのメディアを郵送することもあります。
アナログでイラストを制作している場合も、完成後のイラストをスキャンしてデータ化し、メールやデータ便で納品します。もしくは、そのまま郵送することもあります。
イラストレーターとして就職するには
イラストレーターに就職する為の方法は様々ですが、まずは美術系の大学や専門学校に入学し、デザインやイラストの基礎的な勉強をしてからというのが一般的です。
学科は美術科だけでなく、グラフィックデザイン科やアニメ・イラスト科など、さまざまな学部・学科があり、描きたいもの・やりたい仕事次第で選択できます。また、学校によっては就職の斡旋や求人情報の共有を行ってくれるので、就職先を見つけやすくなります。
そして学校を卒業した後、デザイン事務所や広告制作会社、ゲーム制作会社、出版社などに就職するのが一般的です。実務を通して経験や実績を積み、さらにイラストレーターとしてのスキルを磨いていきます。そうすることでさらなるステップアップやフリーランスへの移行など働き方や仕事の幅が広がります。
少数ですが、独学でデザインやイラストを学んでからイラストレーターへ転身する人もいます。ポートフォリオを作成し営業をかけたり、ブログやTwitter、Instagramなどで作品をアップし、作品が企業の目に留まることで仕事に繋げることができるようです。
ですが、やはり大学や専門学校などで基礎を学び、制作系の会社で実績を積んだほうが堅実でしょう。
イラストレーターの就職先は?
イラストレーターはフリーランスで働いているイメージが強いですが、
に所属して働くことも多いです。
イラストレーターの年収
「求人ボックス 給料ナビ」の「イラストレーターの仕事の年収・時給・給料情報」によると、イラストレーターの平均年収は約403万円です。
日本での平成30年度の平均年収が441万円なので、全体から見るとやや低い傾向にあります。
イラストレーターに必要なスキル
デジタルでの作業スキル
近年、イラスト関連の仕事の多くでデジタル入稿が主流となっており、紙のままで提出することはほぼありません。アナログでイラストを制作する場合でも、イラストのデータ化、圧縮、メールやデータ便での納品時にデジタル作業のスキルが必要になります。
完全にデジタルで制作する場合は、加えて「Photoshop」や「Illustrator」のようなイラストソフト、ペンタブなどのツールを使って作業できることが求められます。
オリジナリティー
クライアントの要望に沿いながら、オリジナリティーを表現することがイラストレーターとして生き残るために重要です。
例えば「表情は笑顔」と指定された人物のイラストを制作するにあたって、同じ笑顔でも表情をどこまで柔らかくするか、服の柄や背景の描き込み、色使いをどう工夫するかで自分らしさを表現することができそうです。
コミュニケーション能力
実際にイラストを描いている時は一人ですが、企画にはクライアント、プロデューサーや編集者など多くの人が携わっています。クライアントから要望やコンセプトをヒアリングしたり、チームメンバーと相談しながら仕事を進めたりとコミュニケーションが必要になる場面も多いので、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
対応力
クライアントから仕事を受けるので、描き上がったイラストをクライアントが気に入るかどうかが一番重要です。自分としては満足していても、クライアントから修正依頼があれば修正しなくてはいけません。
また、所属や依頼内容によってはオリジナルの画風ではなく違う画風でイラストを制作しなくてはならないこともあります。そういった場合でも、クライアントの要望に真摯に対応することが大切です。
イラストレーターが使うツール
パソコン
特にデジテルで作業する場合は必須です。持ち歩かないのであればデスクトップ型のパソコンがおすすめです。
ペンタブ
液晶ペンタブレット(液タブ)と板型ペンタブレット(板タブ)の総称です。
液タブは初心者でも描きやすく、紙に書く感覚で描けるのが強みですが、価格が高く、サイズは大きめです。板タブは値段が安く、コンパクトなので持ち運びには向きますが、やや描きづらく慣れが必要になります。
ペンタブがあるだけでかなり作業しやすくなり、イラストの質も上がります。
イラストソフト
基本的にデータで納品することになるのでイラストソフトを利用するのが主流です。中でも有名なものとして、Adobeのソフトウェア「Photoshop」や「Illustrator」が挙げられます。
ただ、これらのイラストソフトはかなり高額なので、フリーソフトを組み合わせて利用している人もいます。購入を迷っている場合はフリーソフトから始めてみても良いでしょう。使っていくうちどれが作業しやすいか分かってきます。
鉛筆やシャープペン、消しゴム等の筆記具
デジタルでの作業が主流ですが、手書きで作業する場合ももちろんあり、主にラフ画や下書きを手書きで制作する際に用います。
描き心地や作業効率など何を求めるかによって鉛筆とシャープペンを使い分け、消しゴムは用途によって大きさや硬さを変えます。
ペン入れ用のペン
これもGペンや丸ペンなど様々な種類があるので、用途ごとに使い分けます。
カラー画材
イラストにカラーを入れるために使われます。色鉛筆から水彩絵の具、コピックやカラーインクなど塗りの手法やイラストの雰囲気に合わせて使い分けます。
用紙
用紙にはさまざまな種類と特徴があるので、描きたいものに合わせて選ぶと良いでしょう。
トレス台
下書きとペン入れで用紙を分けたい、作業効率を高めたい、消しゴムをかける時に用紙が破れないようにしたい、といった目的で使われます。イラストを正確に描き写すことができる優れものです。
おわりに
ここまでイラストレーターに就職したい人向けにイラストレーターの仕事内容や就職するまでの流れ、求められるスキルや年収などについて紹介してきました。
イラストレーターとして働くなら、デザインやイラストの基礎はもちろん、「Photoshop」や「Illustrator」の扱い方を身につけておく必要があります。大学や専門学校での講義、もしくはオンライン講座などを駆使し、しっかり学びましょう。