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公開日:2020-09-15

はじめに

フリーランスとして働き出したら仕事の単価を決めるのは自分です。設定した単価で稼ぎながら生活を成り立たせていくことになります。しかしこの単価も自分の裁量だけで好き勝手に決めていては、せっかく素晴らしいスキルを持っていたとしても仕事が獲得できずに、宝の持ち腐れで終わってしまいます。

契約を獲得できて、かつ生活が成り立つような単価を定めるには、フリーランス業界の相場を確認することが重要となります。今回はフリーランスとして仕事を継続していける適切な単価を定める方法について紹介していきます。

単価を決めるには調査が必要?

ここ数年のフリーランスの平均年収は400〜600万と言われています。これは副業やパラレルワーカーもフリーランスとして含めた場合の平均年収ですが、一般の正社員の年収に近い金額を稼げることになります。この平均年収を稼ぐということを軸に単価を逆算していくこともできますが、これはどちらかというと独りよがりな算出方法となります。

フリーランスとしてクライアントと契約する場合は、雇用、被雇用の関係にはなりません。あくまで成果物に対して報酬をいただくという契約関係になるため、年収を根拠に単価を交渉するのは少々お門違いとなります。

もちろん年収から時給を逆算した額を参考とするのは良いですが、その額を単純に単価として設定してもなかなか交渉を成立させるのは困難です。

単価を決めるという行為に関して、身近でイメージしやすいのはフリーマーケットやフリマアプリです。フリーマーケットで同じ商品を出品している人がたくさんいたとします。他の出品者が設定している価格が総じて1,000円前後である中、個人的に価値のあるものだという理由で50,000円という高額で出品したとしても、まず売れることはありません。あくまで一般的な価値から割り出された価格となっている商品から売れていきます。

客観視した一般的な価値をとらえていく中でとても役立つのが相場です。相場を調べることは単価を決める場合だけではなく、クラウドソーシングなどのすでに単価が決められている仕事に応募する場合にも、提示されている価格が適切であるかどうかを見極めるための情報として利用することができます。

相場を確認する方法

フリーランスとしての働き方が頻繁に取り上げられるようになったのはここ数年のことですが、それでもすでにフリーランスとして働き始めている人はたくさんいます。またありがたいことにそういう人たちが個人ブログなどで、自分が仕事を請け負った時の単価を経験を踏まえて紹介してくれています。そういった複数のブログを参考にすることが一つの方法です。

またフリーランスに関する情報を集めたサイトや、実際にフリーランスとして働いている人たちの回答を集計したアンケート資料などもインターネット上で見つけることができます。フリーランス専用のエージェントサイトや転職サイトなどで掲載されている報酬例も参考になります。

もちろん身近にフリーランスの人がいれば、その人が設定している相場を参考にすることもできますし、フリーランスを対象にして開催されている相談会を利用する方法もあります。これらをフルに利用して単価を決めていけば、一般的な相場からかけ離れた単価を設定してしまうことは避けられます。

フリーランス開始時の単価を相場から割り出すことで一つの基準ができるため、その後スキルアップなどで価格を上げたい場合もその基準を元に、理にかなった価格を提示することができます。

もう一つ覚えておきたいのは、一度調査した相場を自分の単価として固定化しない方が良いということです。特にIT業界に関しては、持っているスキルの市場価値が変動するスピードがとても早いです。その時トレンドとなっているプログラムは早ければ年ごとに変わっていくため、そのプログラムを取り扱えるプログラマーの需要も変動していきます。スキルの需要が高まったのであれば単価アップの交渉ができるチャンスでもあるため、業界の情報に常にアンテナを張っておくことが大事です。

単価として設定する対象を定める

相場を調べていく中で、単価の対象となるものは様々です。例えばプログラマーであれば、一つのプログラムを完成させて納品したら数万円だとか、実働の工数をあらかじめ定めた時給と掛けて算出している例もあります。ライターでも1文字や1記事に対して単価を設定する場合や、その他の調査時間や取材時間なども含めた工数として設定されることもあります。決め方が一つではないので迷ってしまうかもしれませんが、自分の仕事スタイル上、また仕事内容上で無理のない方法を選んでいきましょう。

実際には仕事を受けるクライアントとの契約が成立しないと何も始まりません。自分の定めた単価と単価の設定方法は、提示された金額が適正かを判断する基準として必要です。しかしあまりその単価に執着しすぎても交渉はうまくいかないのが実情です。妥協しすぎて仕事をいくらしても生活ができないという事態に陥らない程度に、双方が折り合いのつく金額となるように臨機応変な対応が必要です。

「折り合いのつく金額」というのはどのように決めていけば良いのかという点ですが、提示した金額の妥当性を示すことが必要となります。業界の相場はここでも役立ってきます。

例えばWebデザイナーでフリーランスを始めたとします。全くの他業界である小売業者からホームページの作成を依頼された場合、その単価相場を相手が詳しく把握しているとは考えにくく、業界では考えられないような安価を提示してくるかもしれません。それに対して交渉して金額を上げていくとなると、クライアントが納得のいく裏付けを提示する必要があります。利用するプログラムを扱えるプログラマーの単価や、完成までにかかる工数、自分のスキルレベルなどから算出した結果としての単価を具体的な説明とともに提示することで、納得してもらえる可能性が高くなります。

デザイナーなどのクリエイティブ系の仕事をする人であれば、企業の面接で提出することもあるようなポートフォリオを見てもらうことも単価を決めるための目安となります。

また契約を結ぶときはもちろんですが、その後契約が継続した場合も何に対して費用が掛かっているのか分かる内訳があった方が金銭トラブルに結びつきにくくなります。

お互いの関係が親密であるほど成果報酬の内訳はうやむやになりがちです。万が一内訳が曖昧なまま進んでしまった案件があったとしても、必ずその金額の裏付けや内訳をいつでも提示できるように備えておくことが、関係を続けていくためにも重要です。

相場以下の仕事は受けない方が良いか

ここまで紹介してきたように、単価は客観視をして一般的な相場から決めていくことが必須となります。ただしフリーランスとして仕事をしていくのは自分のため、生活していける収入額を無視することはできませんし、するべきではないです。

特にフリーランスは身一つで稼いでいかなければならず、もしかしたら正社員である時とは比べものにならない時間で稼働することがあるかもしれません。健康を維持し続けられる程度の仕事量と収入のバランスを考えていくことはフリーランスを長く続けていくためにとても重要なポイントです。

クラウドソーシングという仕事の獲得方法が広く定着してきてからというもの、たくさんの人が比較的簡単に副業やフリーランスを始めることができるようになりました。サイトによって募集している職種が偏っていることはありますが、単純に仕事を獲得するという観点ではハードルが低くなってきています。

その一方で単価が極端に低い案件が横行しているのも事実です。各サイトではこのような案件を取り締まる規約が少しずつ整備されつつありますが、自らしっかりと相場を調査し自分のスキルレベルと照らし合わせた上で、案件へ応募をしていきましょう。

経験の浅い仕事の実績を重ねることを目的に低単価の案件へ応募して勉強していくということは、スキルアップの方法の一つです。単価が低い案件だとほぼ未経験であっても契約できることがあります。しかし1日のうちに仕事ができる時間は限られているので、フリーランスとして生活が成り立っていない中でそれを行うことはおすすめできません

定職に就いていてフリーランスになるための準備をしている段階や、フリーランスの軸となる仕事が軌道に乗っていて余裕がある時であれば受けることも決して悪くありません。

またクライアントから相場に比べてあまりにも低単価な提示しかされない場合、その先にメリットが存在するのかを考えることもおすすめします。たとえ低単価で始まったとしても、関係性によってさらに単価の良い仕事をもらえる可能性や、他の業者にも紹介してもらえる可能性を現実問題としてある程度は見据えていきたいものです。少ししたたかかもしれませんが、生活がかかっているため割り切りは必要です。

その他注意した方が良いポイント

正社員である場合は、各種税金や保険料、年金の支払いは給与から引かれていくためあまり意識することがありません。意識するのは家賃や光熱費、生活費ぐらいで、それらを手取りの中から支払って生計を立てていきます。

しかしフリーランスとなると自動的に引かれるものが少なく、一旦自分の手元に得た収入の中から全てを支払っていくこととなります。手取りの範囲で生活するということに慣れてしまうと、フリーランスで生計を立てるために必要な収入を見誤ってしまう危険性があるため、忘れずに計算しておきましょう。一見、正社員時代と同等あるいはそれ以上の額が稼げていると錯覚してしまうこともあるので注意が必要です。

またクラウドソーシングサイトを利用している場合は、報酬の中から何%かのサービス手数料が引かれます。こういった手数料も考慮した上で報酬の妥当性を見極めなければなりません。

確定申告も自分で行わなければいけない事務手続きの一つですが、フリーランスで受け持った仕事は、源泉徴収をされないことも珍しくありません。そのため毎年の確定申告の際に、前年の収入の中から必要な所得税を納税することになります。こちらも事前に頭に入れておかないと後々計算が合わなくなり、生活を圧迫することにもなりかねません。

まとめ

フリーランスになる場合は専門とする仕事だけではなく、事務処理や雑務など全てを自分で行っていくこととなります。単価の設定もその一つですが、フリーランスの世界にも先人がいます。また幸いにも個人のフリーランス経験をブログなどに残してくれている人がたくさんいる世の中です。せっかく見られるため、それらの情報を参考として携わる業界の相場をチェックしていきましょう。そしてクライアントとより良い関係を築き、フリーランスを継続していければ幸いです。