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退職してフリーランスとして働きたいと思う人も多くいるのではないでしょうか?自分の能力を如何なく発揮できれば勤務時よりも多くの収入を稼ぎ出せる可能性がありますが、フリーランスとして活動する前と後でやらなければならないことがあります。 それでは、退職してフリーランスになる前と後でやらなければならないことについてご説明しましょう。

フリーランスになる前にやらなければならないこと

余裕を持ってフリーランスになるためには、退職する前にやっておかなければならないことが数多くあります。必ずしも必須ではないことから必須なことまで多くあるため、全体を把握してできることから始めるのがおすすめです。 それでは、フリーランスになる前にやらなければならないことについてご説明しましょう。

退職の意思表示をする

何よりも最初にやらなければならないのは、前もって直属の上司に退職届を提出して退職する意思表示をすることです。特に気を付けておきたいのが、退職希望日にいきなり退職する旨を伝えてはいけません。

会社にとっては社員が退職するということで、その穴埋めをするために仕事の引継ぎや採用活動などを行わなければなりません。いきなり退職すると言われても会社側は対処できないため、スムーズに退職できない可能性があります。これは社会人としてのマナーに反する行動なので、早くて2ヶ月~3ヶ月前、遅くても1ヶ月~1ヶ月半前には退職する旨を伝えましょう。

また、上司に退職の意を伝えるとほぼ確実に引き留められるので、しっかりとした理由を伝えましょう。確実に退職したいなら、決して会社の待遇に関することを理由にしないのが得策です。会社での待遇を理由にした場合、待遇を改善するから辞めないでほしいと諭される可能性があります。

なお、退職届は会社の社則に提出期限が記載されているので、提出期限を守って提出しましょう。

支給された備品の返却

支給された備品というのは、会社の私有財産にあたるもの全てです。社員証や制服、名刺や文房具といった会社から支給されたものは全て会社の私有財産になるため、退職する前にこれらを全て返却しないといけません。

必要書類を用意する

退職する前に雇用保険被保険者証や源泉徴収票などを手続きして用意しておきましょう。雇用保険に加入している証明となる雇用保険被保険者証とは雇用保険に加入した際に発行される証明書で、源泉徴収票は確定申告を行う際に必要です。

雇用保険被保険者証に関しては紛失を防ぐために会社が保管していることがほとんどなので、上司に願い出て用意してもらいましょう。

クレジットカードを作る

クレジットカードは是非とも退職する前に作成するべきものです。というのも、フリーランスになった場合、安定した収入が得られていないという理由でクレジットカードやローンの審査に引っ掛かりやすく、社会的信用性が低いということでクレジットカードが作成できない可能性があります。

したがって社会的信用があり、安定した収入がある会社員として働いている間にクレジットカードを作成すると審査に通りやすいので、比較的簡単にクレジットカードが手に入ります。

当分の生活のために貯金をする

フリーランスとして働くにあたって忘れてはならないのが、貯金です。退職するということは次に仕事が得られるまで収入が一切なくなってしまうため、貯金を切り崩して生活しなければなりません。一人暮らしであれば自分一人でやりくりしなければなりませんし、家庭がある場合はまとまった収入が得られるまで家族を支えることになります。

そのためには事前にまとまった貯金がないと生活が苦しくなるため、貯金以外にも節約できることは積極的に実践することが大切です。

スキルを磨く

フリーランスとして働くにあたって、自分が持つスキルは非常に重要です。退職してフリーランスとして活動する以上、自分のスキルをフル活用して収入を稼ぎ出さなければならないため、退職する前に可能な限りスキルを磨けるかどうかが求められます。

スキルが身についていない状態で退職しても安定した収入が稼げるようになるまでかなりの時間がかかりますし、何より確実に依頼を達成することが難しくなります。スキルの有無によって得られる仕事量や分野、範囲なども大きく広がるので、退職する前にできるスキルアップは全てやっておくつもりでスキルを身につけましょう。

幸いにもインターネットやオンライン講座などでスキルアップができる手段は数多くあるため、積極的にスキルを身につけるのが得策です。

何のためにフリーランスになるのか考える

自分は何のためにフリーランスになるのか、転職する前に確固たる理由を今一度考えてみてください。漠然とした気持ちで今の働き方が嫌だからと安易に退職してしまうと、せっかくフリーランスとして働いているのに身が入らない結果になりかねません。

漠然とした気持ちではなく、もっと多くの収入を稼ぎたい、自由な働き方を手に入れたいなど、フリーランスとしてやっていくための確固たる理由を確立させてから退職の意思を固めましょう。

専用の口座を開設する

退職してフリーランスとして働く場合、今まで使っていた口座を使うよりも専用の口座を開設して売上の出所を分かりやすくした方が良いでしょう。もちろん今までの口座を使っていて収入がどこから振り込まれているのか全て把握できるなら新しく開設する必要性はありませんが、そういった計算に自信がない人は記録漏れなどが生じる可能性があります。

そういった人は新しく専用の口座を開設して、確定申告に備えるのがおすすめです。フリーランスになると確定申告を自分でやらなければならないため、全ての売上を計算することになります。退職する前は会社が自動的にやってくれていましたが、フリーランスになったら全て自分で行うことになるため、売上を計算しやすくする必要性があるでしょう。

業務専用に使用する印鑑を作成する

退職する前に業務専用の印鑑を作成しておきましょう。フリーランスとして活動する時、請求書の発行を初め、業務上の契約や手続きで何かと必要になってきます。業務専用の印鑑は丸印や銀行印などがあるので、事前に作成しておきましょう。

名刺を作成する

主にインターネット上で活動する場合は必要ないかもしれませんが、フリーランスは人に会う機会が増えます。クライアントに挨拶に伺う際やフリーランスエージェントを利用して求人や案件を紹介してもらう時など、名刺が必要になる場面は多くあるでしょう。

自分がどういう人物なのかを知ってもらうためにも、氏名、職種、電話番号、メールアドレス、住所などが記載された分かりやすいデザインの名刺を作成しましょう

売上や経費の管理

確定申告を行う際に売り上げの計算だけでなく、経費の計上も必要に応じて行うことになります。確定申告は1年に1回なので、その時のために定期的に売上や経費の管理ができるソフトなどを導入しておきましょう。

もちろんフリーランスになってから用意しても問題ありませんが、事前に導入して定期的に売上と経費を記録しておくようにすれば確定申告を行う際に混乱しないで済みます。

フリーランスになった後にやらなければならないこと

フリーランスになる前だけでなく、なった後にもやらなければならないことは多くあります。いずれもフリーランスの活動をスムーズに進めるために役立つので、できる限り早めに済ませるのがおすすめです。それでは、フリーランスになった後にやらなければならないことについてご説明しましょう。

国民健康保険と国民年金の切り替え

次に行うのは国民健康保険と国民年金の切り替えです。 退職する前は会社の社会保険に加入していましたが、退職する場合は国民健康保険に切り替えなければなりません。国民健康保険に切り替える場合は退職してから14日以内に近くの市役所か役場で申請しないといけないので、退職日が記載されている社会保険の資格喪失証明書や雇用保険の離職票を用意してすぐに申請しましょう。

なお、会社の社会保険に加入していた時は会社が保険料を負担していましたが、国民健康保険の場合は全額自己負担になるのでいつもより支払う保険料が多くなることに注意しましょう。さらに、会社の社会保険をそのまま継続させたいなら、任意継続の申請を行うのが得策です。

任意継続を利用すると退職してから2年間は社会保険を継続させることができますが、会社は負担してくれないので保険料は自己負担になります。

国民年金の場合は、退職する前に会社の厚生年金、または共済年金から国民年金に切り替えなければなりません。切り替えは自分が住んでいる地域の役場で行い、年金手帳や退職日が記載されている社会保険の資格喪失証明書や雇用保険の離職票を用意して申請しましょう。

国民年金以外にも国民年金基金や確定拠出年金、付加年金、小規模企業共済といった年金もあるのでチェックしておきましょう。

また、国民健康保険は申請したらその場で発行され、国民年金は手続きした数日後に年金の納付書が送付されます。

開業届を提出する

開業届はフリーランスとして本格的に活動する前に提出しましょう。開業届は事業の開始の事実があった日から1ヶ月以内に申請しなければならず、開業届と共に身分証明書やマイナンバーカードなども持参を提示することになります。

青色申告承認申請書を提出する

フリーランスは1年に1回確定申告を行わなければなりませんが、その際に白色申告か青色申告のどちらかを行わなければなりません。この場合、白色申告よりも申請が複雑になりますが、控除や赤字の繰り越しなど様々なメリットがある青色申告を行うのがおすすめです。

青色申告を行うと最大65万円も控除してくれたり、赤字を最大3年間繰り越すことができたり、専従者給与といって家族への給与を経費にすることができたりと節税面でも様々なメリットがあります。ただ、開業届を提出していないと申請できないので、開業届と一緒に青色申告も申請しましょう。

見積書や請求書の雛型を用意する

フリーランスとして活動する際に、あらかじめ見積書や請求書の雛型を用意しておきましょう。これはクライアントに報酬を請求する時や見積もりを出すために必要になるため、無料でダウンロードするなどの方法で用意するのがおすすめです。

いざという時にないと困るため、早めに用意しておくとやり取りがスムーズにできます。

事業計画を立てる

事業計画とは、これからフリーランスとして本格的に活動するにあたって何を目標にするのか、どのくらいの利益を上げるのかなど、将来を見据えた計画です。退職した以上は自分自身で利益を上げていかなければなりませんし、活動するからには目標を立て、どのくらいの利益を出せばいいのか把握する必要性があります。

慣れてくれば月々の売上金額やどのくらいの経費が発生するのかが分かるため、もう一度事業計画を練り直して新たに計画し直すことも必要です。しっかりとした事業計画を立てれば、本質を見失うことなく頑張って働くことができます。

1日のタイムスケジュールを決める

フリーランスとして活動する以上自宅で仕事をこなす日々を過ごすことになるため、仕事とプライベートのメリハリをつけなければなりません。フリーランスとして働く際に注意しなければならないのは、休む時間が長くなるほど仕事に割く時間が減るため、その分稼ぎにも影響することです。

フリーランスは普段の仕事量が収入に直結するため、プライベートを優先していると少ない稼ぎになる可能性があります。毎日何時に起きて何時間仕事の時間を確保するのか、その中でどれくらい休憩時間を確保するのかなど、1日のタイムスケジュールを事前に決めるのは非常に大切です。

ただ、いつもよりプライベートに時間を割いてしまったから仕事に割く時間を減らすという働き方はかえって効率が悪いのでNGです。時には柔軟に対応することも必要なので、そこまで神経質にならずにスケジュールを組みましょう。

まとめ

退職する前や後でやらなければならないことは多くあります。どれもフリーランスとしてスムーズに活動するために行うものなので、本格的に活動する前に全て済ませておくのが得策です。中には期限があるものもあるため、早めの行動が必要です。

フリーランスとして活動するからには事前の準備ができているかどうかが収入を左右するといっても過言ではありません。事前準備を抜かりなく済ませ、退職後の生活に備えましょう。