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はじめに

大学を卒業したら安定した企業に就職して定年まで勤めあげる。一昔前まではそれがさも世の中のスタンダードであるかのように言われ続け、それ以外の働き方は異色に思われる時代もありました。しかし、インターネットの普及が急速に進んだ現代においては多くの情報が容易に入るようになったこともあって、働き方に対する固定観念も取り払われてきています。そういった流れを受けて徐々に台頭してきているのがフリーランスというワークスタイルです。この記事ではフリーランスとしての働き方について、また多くの企業が集まる東京ではなく、福岡という地でフリーランスとしてやっていくことについて紹介していきます。

福岡でフリーランスになることは可能か

少しでも豊富な職種から仕事を探したい、入りたい企業が東京や大阪にあるために上京するということは、企業に就職する場合にはよくあることです。フリーランスになる場合も企業が多くある東京に行った方が良いのかと思うかもしれませんが、福岡にいても十分フリーランスとして働くことができます。

その理由の一つは、フリーランスとして働いている人の職種にあります。フリーランスで多い職種はパソコンとインターネット環境さえあれば成立するものが多く、デザイナーやエンジニア、プログラマー、ライター、翻訳、カメラマン、他にアーティスティックな分野としては作曲家やイラストレーターなどがあります。

これらの仕事であればわざわざ上京することなく、または福岡に住んでみたいので福岡に住居を移したいという人でもフリーランスを始めるということが叶います。実際にネット上で仕事の受託から業務、報酬の受取りまでが完了するクラウドソーシングサービスで募っている案件もこれらの職種に関連するものが大多数を占めます。

福岡はフリーランスが暮らしやすい場所か

フリーランスを始めるにあたって住居を決める場合に、福岡を選ぶメリットはあるのかというところを見ていきましょう。

福岡で特に注目するべき点は賃料の安さです。東京都の2020年7月現在の家賃相場は、23区内であればどこであっても7万ほどはかかります。やや安くなる東京の市内であっても5万円くらいの物件がほとんどです。

それにたいして福岡では、特別大きな場所が必要なければ4万円台から多くの物件を探すことができます。北九州市の中心となる小倉から少し外れた八幡区や八幡東区は特に安いです。外れたと言っても小倉駅からは電車で20分程度の範囲です。また北九州より南に移った飯塚市、八女郡、中間市なども福岡県の中でもさらに安い家賃相場となっています。博多や天神に近いところがいいという場合は福岡市の区内での物件選びとなりますが、それでも4万円台で十分探せます。資金に余裕があって東京の相場と同じ賃料を出しても良いということであれば、より中心街に近い好立地なところの築年数の浅い物件に住めることでしょう。

初めのうちは生活費のやりくりも厳しくなってくる可能性の高いフリーランスにとって、福岡の家賃相場の安さは大きなメリットと言えます。別途事務所を構えるという場合も、東京で自宅と事務所を持つよりも賃料の負担を格段に抑えることができます。

福岡の交通の便について

フリーランスがどこでも仕事ができる働き方とはいっても、打ち合わせであったり、取材する必要があったりと現場やオフィスに出向かなくてはならないことも考えられます。そういった時の交通の便を考えると、やはり都内で始めるのがいいのではという疑問が浮かびます。

しかし、福岡市は公共の交通機関も充実しています。ご存知の通り博多からは新幹線が出ていますし、天神には各方面への長距離バスの出発地点となる西鉄天神高速バスターミナルがあります。そして特筆すべきは空港の近さです。博多からは地下鉄で2駅、所要時間5分ほどで福岡空港へ到着します。都心から成田空港や羽田空港まで向かうよりも早くて便利なことがわかります。福岡空港には全国各地への便があり、国際線もあります。東京への格安なLCC便もありますので、気軽に行き来ができます。なお、小倉駅から北九州空港まではバスでおよそ40分ほどで到着します。

福岡にフリーランスに向けたサービスはあるか

フリーランスの多くは、毎日一人でひたすらに仕事を進めていきます。また自宅が生活する場でもあり、仕事場でもあるという人もいます。フリーランスになることで仕事量の裁量や働く時間の自由を得ることはできる可能性が高いですが、それだけに継続していくことがとても難しいワークスタイルでもあります。フリーランスとして働く場所の近くに、 継続していくためのモチベーション維持や刺激を受けられる要素が欲しくなります。

福岡はいわゆるノマドワーカーと呼ばれるフリーランスの方には最適な場所です。ノマドワークをするにあたって必要となるのがWi-Fi環境や充電対応ですが、福岡はこれらが完備されているカフェが多くあります。カフェ自体の数も多く、何箇所かお気に入りを決めておけば、混んでいても別のカフェで仕事をすることができます。カフェは大きな公園の内と周辺、街のおしゃれなスポット内などにもあり、自宅で作業に煮詰まった時に場所を変えてみるのにはとっておきの場所となります。

カフェで仕事ができるといっても長時間はいられない、落ち着かないという場合はコワーキングスペースレンタルオフィスも充実しているので、こちらの利用をおすすめします。2020年6月現在でコワーキングスペースのようなレンタルスペースは、福岡県福岡市の博多・天神エリアだけでも10箇所近くあります。また北九州市の中心地である小倉駅周辺にも同じような施設が集まっています。レンタルオフィスも家賃同様に東京の賃料より安く済みますので、固定のオフィスは持つほどでもないものの数人で仕事をするという場合に利用を検討してみてはいかがでしょうか。なおコワーキングスペースであっても時間単位や1日でフリースペースを借りるドロップインの他、固定費を払ってレンタルオフィスとすることができるところもあります。

福岡県の中心となる福岡市は新たなベンチャー企業が多く誕生する場所でもあります。その礎となるスタートアップ関連のサポートや施設が充実していることがその理由の一つと考えられます。フリーランスと起業は働き方として遠くはなく、フリーランスの延長線上に起業があるとも言えます。事業として登録して本格的に会社を設立するとなった場合に利用できるサービスとしては、スタートアップ専用のカフェ、スタートアップのセミナーや講演会、ワークショップの受講、相談会への参加があります。福岡市ではそれらのサポートを受けられるスポットが多く、福岡県第二の都市・北九州市、第三の都市・久留米市でも数年の間にスタートアップ関連の施設が充実してきています。

他にも廃校となった学校を再利用して、出店したい人を募り、開業希望者への支援と同時に街の活性化も計るという動きもあります。福岡市は2024年までに計画されている「天神ビッグバン」という大規模な街中のビルの建て替えという再開発によって大きな転換期を迎えており、同時に新たなスタートアップを福岡に集めようという動きも加速してきています。福岡でフリーランスで働いていることで、そこに集まる様々なベンチャー企業の活動や、街の再開発が盛り上がりをみせている様子に自然と刺激を受けることができます。また大きな波に乗っていくことで、さらに大きな仕事ができる可能性も十分にあるのです。

福岡にフリーランスに関する支援はあるのか

福岡市は「創業支援事業計画」が国に認定されています。独立、起業の支援に積極的で関連の施設やイベントが充実しているのはもちろんですが、創業する際の登録免許税の軽減、新規開業資金の融資、生涯現役起業支援助成金など、資金面に関しての支援も多く用意されています。フリーランスとして働いていて、いざ事業化を目指すとなったときのサポートがあるという点も福岡で始める大きなメリットとなります。福岡市のホームページには各種融資や助成金についての詳細が掲載されています。助成金によっては毎年募集している期間が決まっているため、必要となった際にはあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

まとめ

フリーランスとして働き始めることは魅力がありながら不安もつきものです。福岡は福岡市をはじめ、北九州市、久留米市などにもフリーランスやスタートアップの支援団体や施設が充実してきています。新しいベンチャー企業に加えスタートアップも集まる都市としてさらに進化し続けている場所ですので、フリーランスとして働くことを検討されている方は是非ともこの魅力的な街全体の流れに乗って福岡で開始してみてはいかがでしょうか。