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ビジネスマンに欠かすことのできない営業ツールの代表ともいえるのが名刺です。営業活動に縁の薄かった会社員エンジニアの方でも、フリーランスへの転身を機会に「名刺を作っておいた方がいいかも」と考えているのではないでしょうか?しかし、これまで名刺を作ったことのないエンジニアの方であれば、名刺にどんな項目を記載すればいいのか?そもそもフリーランスにとって名刺は必要なのか?さまざまな疑問を感じているでしょう。

そこで本記事では、フリーランスへの転身を検討するエンジニアの方に向け、営業ツールとしての名刺の重要性を紹介していくとともに、フリーランスとして活動していくために有効な名刺の作り方、作成時のポイントなどを紹介していきます。

フリーランスエンジニアが案件を獲得するには?

会社員エンジニアであれば、営業スタッフが開発案件を獲得してきてくれますが、フリーランスともなればそうはいきません。すべての責任を自分自身で負わなければならないフリーランスエンジニアは、参画する開発案件も自分で獲得しなければならないのです。しかし、幸いなことにIT業界には優良なフリーランスエージェントが多数存在します。エージェントをうまく活用すれば、エンジニア自身が積極的に営業することなく案件を獲得できるうえ、大幅な収入アップも期待できるでしょう。

高単価案件獲得には営業力が重要

ただし、良心的なエージェントであっても手数料がかかるのは事実であり、高単価案件ばかりに参画できるとも限りません。フリーランスエンジニアがもっとも効率的に高単価案件を獲得するには、いかにクライアントから直接受注するかがカギであり、そのための営業力が欠かせないのです。営業力を武器にした直接受注をメインに、エージェントも併用して活用すれば、仕事や収入が安定しないとされるフリーランスの弱点も補えるでしょう。

フリーランスエンジニアに有効な営業ツール

フリーランスへの転身を検討しているエンジニアの方なら、会社員時代に築いた人脈を活かして営業していこうと考えているかもしれません。しかし、その人脈は会社の後ろ盾があったからこそ築けたものかもしれないので、過去の人脈だけで継続的に案件を獲得できるとも限りません。あなたのことをクライアントに知ってもらい、実力をアピールするためにも、案件獲得に有効な営業ツールを用意すべきでしょう。

ポートフォリオサイト

デザイナーやカメラマン、イラストレーターなどのイメージが強いポートフォリオですが、フリーランスエンジニアが自身をアピールするのにも有効です。GitHubを活用してコードを公開しているエンジニアの方も少なくありませんが、営業用という観点でいえば、実績やプログラミングスキル、プロフィールなどをまとめて公開できる、ポートフォリオサイトを制作するのがおすすめです。積み重ねてきた実績やスキルを追加して、さらにポートフォリオを充実させられれば効果的にアピールできます。

SNS

営業ツールという意味で今や欠かせない存在なのが、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSです。クライアント企業とのつながり・ビジネスという点では大きな期待はできないかもしれませんが、日本人の多くがなんらかのSNSアカウントを持っている現代では、IT業界内での人脈を構築するのに非常に有効です。Facebookであれば、ビジネス向けの「Facebookページ」も用意されています。

名刺

オンラインでのつながりが当たり前となった現代でも、対面での営業はまだまだ重要な位置を占めています。特に日本企業ではその傾向が根強い面があり、クライアントが法人であることの多いフリーランスエンジニアには、名刺が必須の営業ツールだといえるでしょう。それはどのような業界であっても、名刺交換を含めたビジネスマナー研修を実施しない企業が殆どないことからもわかります。挨拶代わりの名刺交換で渡す名刺がない、などという事態にならないためにも名刺は用意しておくべきでしょう。

フリーランスエンジニアに名刺は必要?

一方で、実力がすべてのフリーランスエンジニアには名刺は必要ない、と主張する方が少なくないのも事実です。もちろん、フリーランスエンジニアが名刺を作らなければならない決まりなどはありません。たとえば、エージェント経由で安定的に案件を獲得している、オンライン・フルリモートで業務が回っている方なら、名刺が必要だと感じていないはずです。名刺がなくても滞りなく案件を獲得し続けていけるのであれば、わざわざ名刺を作る必要もないでしょう。

しかし、すべての方が安定的に案件を獲得できているわけではありません。リピーターになってくれる得意先があっても、常に案件を回してもらえるとは限らないからです。あらゆる業界の営業マンが、名刺を駆使して新規案件獲得に奔走しているように、名刺があれば、フリーランスエンジニアが新規クライアントを獲得するのに役立つ場面が必ずあるのです。

名刺があれば人脈づくり・新規顧客獲得に役立つ

もちろん、エンジニアが自ら飛び込み営業するのは現実的とはいえません。しかし、イベント、交流会、さらにはエージェント経由で参画した常駐現場など、挨拶や名刺交換をするチャンスは意外に多いといえるでしょう。その場では名刺交換のみで終わったとしても、フリーランスエンジニアとしての存在を相手に残せれば、後々ビジネスに発展することも十分期待できます。日本のビジネス文化において、名刺交換を断られる可能性がほぼゼロであることを考え合わせても、名刺は強力な営業ツールだといえるのです。

名刺に記載すべき項目とは?

それでは、どんな名刺を作ったら営業を有利に進められるのでしょうか?自身で名刺デザインしたことのないエンジニアの方であれば迷ってしまうかもしれません。理想的なのは、名刺だけで「その人がどんな人なのか」を把握できることですが、シンプルでわかりやすくデザインするのも重要です。「名前と業務内容を覚えて欲しい」など、まずは名刺を渡した相手になにをして欲しいのかという目的を想定し、それを達成するために必要な項目をピックアップしていくのがおすすめです。以下からは、名刺に記載すべき項目例を紹介していきます。

氏名・ビジネスネーム

名刺を渡した相手が一番最初に見る項目が氏名だといわれています。もっとも目立つ位置に大きめに配置するのが定石でしょう。フリーランスとして活動していくためにビジネスネームを使っている方であれば、それを記載しても問題ありません。ただし、本名を名乗るのが基本の法人相手であれば、名刺にも極力本名を記載しておくのが無難です。ビジネスネームに括弧付きで本名を併記するなどもおすすめです。

屋号

個人事業主の届出の際に屋号を登録している方であれば、氏名の上の位置に記載しておくのがおすすめです。クライアントに好印象・安心感を与えられる、名刺交換時の話題づくりになるなどのメリットがあるからです。もちろん、屋号がなければ記載する必要はありませんが、エンジニアという業務内容をイメージできるものであれば、案件獲得にもつながりやすくなります。氏名とともに、特殊な読みが必要な名称ならフリガナ・ローマ字表記をしておくといいでしょう。

肩書き

氏名とともに名刺でよく見られるのが肩書きだといわれており、相手の人となりを判断するのに肩書きは重要な要素だといえます。屋号が記載してあれば「代表」「CEO」などを、そうでなければ「CCNPネットワークエンジニア」などのように、どんな仕事をしているのかイメージしやすい肩書きをつけるのが重要です。複数の肩書きがある方ならすべてを記載したくなるところですが、散漫な印象を与えないためにも、どれかひとつに絞るのがおすすめです。

住所

フリーランスとして活動するエンジニアの方は自宅を拠点とすることも多いため、名刺に住所を記載しないこともあります。しかし、名刺を受け取った相手に不信感を与えることにもなりかねないため、できる限り住所は記載しておくべきでしょう。特に女性であれば住所を明記するのに躊躇してしまうかもしれませんが、レンタルオフィス、バーチャルオフィスを借りるという手もあります。住所の記載があるなしで2種類の名刺を用意し、相手に応じて使い分けるのもいいかもしれません。

電話・FAX

若年層を中心に電話が敬遠される傾向にあるのは事実ですが、緊急時を含めてすぐに電話連絡できないというのはビジネスの観点からもマイナスです。大手企業を中心に、まだまだ高いFAXのニーズも踏まえ、個人用とは別の回線を用意してでも、名刺に電話・FAX番号を記載しておくのがおすすめです。電話番号も取得しやすくなった近年では、安価なFAXソフトも利用できます。事業用とプライベートで番号を分けられれば、オンとオフの切替えもしやすくなります。

メールアドレス

連絡先として電話番号よりも重要視されるのがメールアドレスです。ビジネスチャンスを逃さないためにも、確実に連絡が取れてすぐに確認できるメールアドレスを、ひとつだけ名刺に記載しておくといいでしょう。できれば、相手に信頼感を与えるためにも、独自ドメインのアドレスを用意したいところですが、フリーメールサービスを利用しても大きな問題にはなりません。ただしその場合は、ビジネスでの利用で信頼感があるGmailのアドレスを使うといいでしょう。

SNSアカウント

記事冒頭で紹介した営業ツールとしてSNSを利用しているなら、SNSアカウントも名刺に記載しておくべきです。ただし、仕事に関連する情報発信を行うアカウントならともかく、プライベートのSNSアカウントを記載するのはやめておくべきです。ビジネスにつながらないのはもちろん、なんのために記載してあるのか、名刺を渡した相手が困惑してしまうからです。

実績・スキル・ポートフォリオ

名刺の裏面には、これまでの実績・保有スキル・資格などを記載できる十分なスペースがあるため、有効活用したいところです。しかし、あれもこれもとすべてを記載していてはなにが重要なのかわからなくなってしまううえ、シンプルでわかりやすい名刺デザインという基本から逸脱してしまいます。名刺に記載する実績・スキル・資格などは重要なものにとどめておき、ポートフォリオサイトを充実させたうえでURL、できればQRコードを印刷しておくのがおすすめです。

名刺作成時のポイント

最後に、デザインを含めた名刺作成時の注意ポイントを簡単に紹介しておきましょう。営業ツールとなる名刺を自己アピールに使うため、奇抜なデザインを採用したいと考える方がいるかもしれませんが、あまりおすすめできません。結果的に、内容の伝わらない名刺になってしまいがちだからです。それよりは、紙の質感に拘る、エンボス加工をするなど、独自性を盛り込みながらもシンプルにまとめる方が、受け取った相手の印象も良くなります。自身の顔写真、イラストをあしらうのもおすすめです。

特殊なサイズ・形状の名刺もやめておいた方がいいでしょう。名刺のサイズに関しては、日本で標準の55 × 91(mm)を採用するべきです。縦書き・横書きはデザインで済みますが、名刺入れに入らない形状では受け取った相手が困惑してしまいます。保管も考えたデザインを採用するのも重要です。

まとめ

フリーランスエンジニアすべてに必須ではありませんが、強力な営業ツールとなる名刺は、いざというとき役に立つ作っておいても損のないアイテムです。どんなところからビジネスにつながるのかわからないのが人脈ですが、人脈を築くのにも役立つのが名刺です。案件獲得の窓口を幅広く持つためにも、本記事を参考にしつつ、自分だけの名刺を作ってみてはいかがでしょうか?