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はじめに

Webアプリケーションを開発する上で必ずと言って良いほど必要になるRuby。その人気の高さ、日本人が開発した言語であるがゆえの扱いやすさ、市場に出回る情報の多さから、フリーランスとして活動するエンジニアにも人気の言語です。今回は、Rubyのフリーランスエンジニアが気になる案件の価格相場や、Ruby案件に多い主な仕事内容、そしてRubyエンジニアの将来性などをまとめました。未経験からRubyのフリーランスエンジニアを目指す際のステップも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Rubyのフリーランスは稼げるのか

Rubyのフリーランスは稼げるのかどうか、価格相場を調べました。

Ruby案件の価格相場

まずはRuby案件の価格相場をみてみましょう。Rubyのフリーランス案件の平均単価は約72万円です。最低単価は約30万円、最高単価は約150万円です。作業時間の目安は1人で月に140時間〜180時間となり、週に5日現場に常駐する案件が多いです。

Ruby案件の仕事内容

次に、Ruby案件の仕事内容を解説します。主に2通りの仕事内容に別れます。

新規サービス開発Ruby案件

スタートアップ企業やベンチャー企業の社内で、Rubyを使用したシステムを開発します。フレームワークはRuby on Railsを使用するケースが最も多いです。

他の言語で作られたシステムのリプレイス案件

PHPなど、Ruby以外の言語で開発されたシステムをRubyで再構築するケースです。こちらもフレームワークはRuby on Railsを使用することが多いです。

在宅案件はあるのか

Rubyでの開発案件はアジャイル方式(※1)で進められることが多く、はじめからしっかりと仕様が決まっていないことが多いです。そのため、細かな調整など開発のチームメンバーで綿密・頻繁にやりとりする必要があり、在宅案件は多くありません。しかし、全くゼロなわけではなく、小規模のWebサイト開発Ruby案件を中心に存在します。スタートアップ企業はまだ社内にエンジニアがいない場合が多く、ベータ版のシステムを低単価で発注したいというニーズがあるようです。在宅を希望するRubyのフリーランスエンジニアの場合、スタートアップのイベントなどに参加し、気の合う起業家を見つけることでRubyの在宅案件にたどりつけるかもしれません。

※1:システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法の一つ。大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていくので、従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と言われている。

Rubyエンジニアの需要と将来性

次に、Rubyエンジニアの需要と将来性について解説します。一部では「高単価」「高収入」と評され、一部では「オワコン」とも言われているRubyですが、実際のところはどうなのでしょうか。

人気のRuby on Rails

まず、Rubyの人気を語る上で外せないのが「Ruby on Rails」の存在です。Ruby on Railsは、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンによって開発されたWebフレームワークです。Railsの思想設計としては「DRY(Don't Repeat Yourself:同じことを繰り返さない)」と「設定より規約」に基づいています。Ruby on Railsの特徴として、開発効率を高めやすいエコシステムが整っている点が挙げられます。ベンチャー企業では、既存のPHPフレームワークで作ったWebアプリケーションをRuby on Railsにリプレイスしようとしている等、新規事業でWebアプリケーションを開発するにあたりRuby on Railsを採用する企業が増えています。なぜなら、典型的なWebアプリケーションを開発する際に、もっとも開発効率が高いと判断されているからです。

Ruby on Railsの人気は、Rubyを扱えるエンジニアの需要や将来性に直結します。よって、Rubyエンジニアの需要は今後も高水準を維持し続けるでしょう。

Ruby案件の数

Ruby案件の数という観点でも見てみましょう。Ruby案件は近年増加しています。資金調達を達成したスタートアップ企業が、早期にプロダクトをリリースするために、Rubyを選択するケースが増えています。また元々別の言語の担当だったエンジニアがRubyエンジニアとしてシフトチェンジすることも少なくないようです。新規開発と別言語からのリプレイス、どちらの案件も需要があります。また開発効率の良いRubyだからこそ実現できる、短期でのプロダクトリリースという魅力的な面から、Ruby案件は豊富です。需要が高く、フリーランス側も案件を選べる自由度が高いと言えるでしょう。

Rubyの今後

Rubyの今後の需要と将来性を考えた時、ビッグデータ処理の速さがカギを握ると言われています。ビッグデータの獲得はアメリカのGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が推し進めています。この分野で日本は出遅れており、ビッグデータ処理に強いRubyエンジニアの需要は高まる一方でしょう。Web開発の需要もありますので、サイトやアプリ開発に強いRubyのフリーランスエンジニアは仕事が途切れる心配は無さそうです。ただし、完全リモートワークのRuby案件の割合は、現時点では少ない状況です。

Ruby案件が減るとしたら、Rubyで構築されたシステムを別言語へリプレイスする案件などが考えられます。今のところその心配はないですが、可能性はゼロではありません。より将来を見据えて安定した収入を目指すなら、Rubyと同じスクリプト言語であるPython、Javascript案件に参画するなど他の開発言語を並行して習得し、受注する案件を選定することで、フリーランスのRubyエンジニアとして今後の安泰は約束されるでしょう。

Rubyのフリーランスが仕事を見つける方法

次に、フリーランスRubyエンジニアが仕事を見つける方法を紹介します。

フリーランス専門のエージェントを活用する

1つ目は、フリーランスのITエンジニアやWebエンジニア専門のエージェントに登録し、スキルセットや経歴に合った案件や求人を紹介してもらうことです。このようなエージェントの中には、正社員並みの福利厚生を保障してくれるところもありますし、営業面やマーケティング面で非常に頼りになるエージェントもあります。またフリーランスのエンジニアにとって煩わしい税金や公的手続きのイロハを教えてくれたり、サポートしてくれたり、と様々な恩恵が受けられます。ぜひ活用してみてください。選ぶ際は、支払いサイト(締め日から給与が支払われる日)の短さやマージン率の低さなどを見てみると良いでしょう。

クラウドソーシングサービスを活用する

2つ目は、クラウドソーシングサービスを活用することです。無料登録すれば最速その日から案件を受注できますし、隙間時間にできるような小さなプロジェクトから大規模な案件まで、豊富な案件の中から幅広く検索できます。手軽さは魅力的なのですが、このようなサービスはサービス手数料を1〜2割とられてしまうので注意が必要です。またクライアントとのやりとりはチャットツールや専用メッセージを使用することになりますが、なかには規約やガイドラインを無視した行動をする悪質なクライアントも居ます。フリーランスとして、自分の身は自分で守ることを常に意識して利用しましょう。

SNSやWebでアピール、公開

近年のSNSの普及に伴い、個人事業主やフリーランスのエンジニアはSNSの自身のアカウントで宣伝をすることで、スキルのアピールをすることが多くなりました。SNSは意図して検索しなくても、流れるタイムラインの中にうまく紛れこみ、不特定多数の目にとまる可能性があります。Rubyエンジニアとして関わった案件の内容(会社名や企業名は避けましょう)や制作したアプリ、技術ブログなどをSNSアカウントやWebページで公開することで、予期せぬ新規クライアント獲得に繋がるかもしれません。もちろん、不特定多数の人が見ているという認識を持った上で、言葉遣いや細かい部分の配慮をしながら発信しましょう。

未経験からRubyのフリーランスエンジニアを目指す場合

未経験からRubyのフリーランスエンジニアを目指す場合の方法を紹介します。

Rubyについて学ぶ

第一歩として、Rubyに触れるところからはじめましょう。勉強方法は、独学ならば書籍や動画コンテンツ、Webコンテンツなどが挙げられます。金銭的余裕があればプログラミングスクールなどで集中的に学ぶのもおすすめです。いきなりRubyから学び始めるのも良いですが、実務のことを考えるとHTMLやCSS、Javascriptなどフロントエンドの部分をある程度理解してからRubyの学習を始めると良いでしょう。身に付けた知識は必ずアウトプットし、作品として残しておきましょう。特に未経験からRubyのフリーランスエンジニアになる場合、実務経験がないとなるとスキルを証明できるものは制作したWebアプリになるからです。

可能であれば現場経験を積む

学習のフェーズを追えたら、次は実務に入りましょう。在宅案件は母数が少ないので、客先常駐案件の中から未経験OKのものを選び、応募します。選考の際、重要になるのはポートフォリオです。なぜRubyでそのようなアプリを作ろうと思ったのか、アプリを作る上で苦労した点、今後どのように改良していきたいか、などポートフォリオに関して細かく聞かれる場合もあります。スムーズに答えられるように、日々の気づきはメモして忘れないようにしましょう。企業での実務を1〜2年経験すれば、フリーランスとして羽ばたくには十分な経験になります。

まとめ

Rubyは非常に需要が高く、それを扱えるRubyエンジニアの将来性は現状では明るいといって良いです。しかし、技術の陳腐化や入れ替わり、更新が激しいIT分野において、ずっと同じ言語で安泰を築くのは難しくリスキーです。けれども、当面の間はRubyの新規開発やリプレイス案件は途切れることなく増加していく見込みですので、Rubyをメインとしたフリーランスの需要は高くあり続けることでしょう。

今回はRubyのフリーランスエンジニアの案件の単価相場や仕事の見つけ方、未経験からRubyエンジニアを目指す方法などをまとめました。ぜひRubyエンジニアを目指し、プログラミングやWebアプリ制作を楽しんでください。