支援対象地域:札幌、仙台、関東、愛知、関西、広島、福岡


「フリーランスとして働きたい」と思っていても、実際にフリーランスになったらどんな準備が必要なのか、どんな手続きが必要なのかわからないという人もいるでしょう。フリーランスとして働くようになったらさまざまな書類に記入して手続きをしたり、仕事ができる環境を整えたりなどやるべきことがたくさんあります。そこで、今回はフリーランスに必要な手続きや準備についてご紹介します。これからフリーランスになりたいと思っている人やフリーランスに興味がある人は、知っておくと役立つでしょう。

フリーランスを始めるために必要な手続き

原っぱにあるノートパソコンの画像

フリーランスとして働く場合は、健康保険の手続きや開業届の提出などさまざまな手続きが必要です。ここではフリーランスになるために必要な手続きについて、具体的に解説します。

国民健康保険に加入する

会社に勤めていた方がフリーランスになる場合は、今まで勤めていた会社の健康保険・雇用保険・厚生年金保険から脱退することになります。そして、新しく国民健康保険に加入する方法、企業の健康保険を任意継続する方法があります。国民健康保険は自分が住んでいる市区町村の役所で手続きを行います。保険料は住んでいる市区町村や所得、家族構成などによって違いがあるので確認しましょう。退職した翌日から14日以内に手続きをする必要があります。また、今まで会社員だった方は以前の会社の健康保険に継続して加入することも可能です。健康保険の継続加入は任意で、2年間に限ります。健康保険を継続すると、今までと同じ保険給付内容で使えることがメリットです。しかし、任意の継続加入にはデメリットもあります。会社で働いていたときは保険料の半分を会社が負担してくれていましたが、継続して加入する場合はすべての保険料を自分で払う必要があります。健康保険を任意継続すれば1人分の保険料で扶養家族分も支払えるため、家族がいる方はおすすめです。健康保険を任意継続する場合は、退職した日から20日以内に手続きをする必要があります。

国民年金の手続きをする

厚生年金や共済年金に加入していた方は、フリーランスになったら国民年金に切り替える必要があります。国民年金の手続きは自分が住んでいる市区町村の役所で行うことができます。手続きをする際は、「年金手帳」と「退職日がわかる書類」を持って行きましょう。退職日がわかる書類とは、社会保険の資格喪失証明書や雇用保険の離職票などです。また、フリーランスになって国民年金だけになると老後の生活が不安という方もいるでしょう。国民年金基金や確定拠出年金など国民年金以外の年金制度に加入することもおすすめです。

開業届を出す

フリーランスになったら開業届を提出しましょう。開業届は正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。開業届は自分が住んでいる地域を管轄している税務署に提出します。提出期限は開業した日から1ヶ月以内です。また、開業届には屋号を書く欄があるので、自分の好きな屋号を考えておくと良いでしょう。開業届を出すと青色申告ができるようになります。青色申告は白色申告と比べると所得税の控除額が大きいため、節税に繋がります。また屋号で銀行口座が作れることもメリットです。

青色申告承認申請書を提出する

確定申告をするために青色申告承認申請書を提出しましょう。青色申告承認申請書は開業届を提出しないと受理されないため、開業届を提出したときに一緒に青色申告承認申請書も提出することがおすすめです。青色申告承認申請書を提出することで青色申告ができるようになります。確定申告には白色申告と青色申告がありますが、青色申告の方が税制上でお得になります。青色申告を申請すると、最大で65万円控除されたり赤字を3年間繰り越したりすることが可能です。白色申告よりも青色申告の方が複雑な部分がありますが、節税を意識するのであれば最初から青色申告をすることがおすすめです。

フリーランスになる前にやっておくこと

パソコンのコーヒーの画像

フリーランスになると仕事で必要な環境や備品などもすべて自分で用意しなくてはいけません。いざフリーランスとなって独立してから慌てないように、フリーランスになる前にやっておきたいことについてご紹介します。

クレジットカード・ローンに申し込む

フリーランスになったばかりの人は、会社員と比べるとどうしても信用が低いです。そのため、クレジットカードを作ったりローンを組んだりすることが比較的難しいです。フリーランスになる前にクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりしておくと良いでしょう。クレジットカードは経費の支払いでも役に立つので、あらかじめ作っておくことがおすすめです。

自分のスキルを整理する

フリーランスとして活躍するには、自分のスキルが必要です。そこで、まずはフリーランスになる前に自分のスキルを整理しておくと良いでしょう。自分のスキルを生かしてフリーランスとして働けるのかを見直すきっかけにもなります。例えばフリーランスのWebデザイナーになる予定だけどグラフィックデザインもできるという方は、グラフィックデザインのスキルで収入を得ることもできるでしょう。自分の得意なものを把握して、いざというときに自分を売り込めるように準備しておくことが大切です。

フリーランスとしての仕事内容を考える

自分のスキルを整理したら、フリーランスとしての仕事内容を考えましょう。フリーランスとして何ができるのか、どんな仕事を受注できるのかを整理します。自分がやりたいことと、できることのバランスを考えて仕事を見つけると良いです。実際にクラウドソーシングサイトを見て、具体的にどんな案件があるのか探してみるのもおすすめです。

仕事環境を整える

フリーランスになったら、仕事をするために必要なものもすべて自分で用意しなくてはいけません。エンジニア、デザイナー、ライターなどフリーランスとして働くことができる職種の多くはパソコンが必要となります。デスクトップパソコンでも良いですが、仕事内容によっては外で打ち合わせをしたり取材をしたりすることもあるのでノートパソコンかタブレットも用意しておくと便利です。またノートパソコンであれば持ち運びができるので、カフェやコワーキングスペースで作業することも可能です。仕事をするスペースを作ったり仕事に集中できるような空間を作っておきましょう。

フリーランスになったらやっておくこと

パソコン作業をしている画像

フリーランスになったら、お金の管理もすべて自分で行わなくてはいけません。毎月の経費と利益がどのくらいになるのかを把握して、目標となる収入を決めると良いでしょう。毎日どのくらいの仕事をこなせばいいのかを把握できれば、フリーランスになってから収入が少なくて生活できないということは少なくなるはずです。また、仕事用の口座とプライベート用の口座で分けたり複式帳簿をつけたりする必要もあります。

事業計画を立てる

事業計画を立てることはフリーランスとして大切なことです。フリーランスとしての目標や、どのくらいの利益を出したいのかなど具体的な計画を立てましょう。また、毎月どのくらいの経費がかかるのかを把握しておくと良いです。目標の利益や毎月の経費がわかれば、毎日どのくらいの仕事をするべきなのかわかるようになります。フリーランスになったときの手続きを終えて満足するのではなく、常に将来を見据えた事業計画を立てておくことがおすすめです。

名刺を作る

フリーランスになったら、自分がどんな仕事をしているのかわかるように名刺を作りましょう。また、クライアントと直接やりとりをしたりエージェントを通して求人や案件を紹介してもらったりなど、人と会う機会が多くなることもあります。そこで自分がどんなことができるのか、具体的な仕事内容などを知ってもらうために名刺があると便利です。名刺には名前や屋号、職種、住所、電話番号、メールアドレスなどを記載します。しかし、中には住所や電話番号を記載するのが不安という方もいるでしょう。個人情報を名刺に記載するのが不安という方は、バーチャルオフィスを利用するという方法もあります。バーチャルオフィスは、住所や電話番号、FAXをレンタルできて、郵便物の受け取りと転送もしてくれるものです。

仕事用の口座を用意する

フリーランスになったら、仕事用の口座も用意しておきましょう。仕事用の口座があれば、仕事で利用したお金がわかりやすくなります。プライベートの仕事で同じ口座を使ってしまうと、後から確定申告をする際にどれが経費なのかわかりにくくなってしまい経費の入力に時間がかかってしまいます。ネットバンクならWebから簡単に申し込みができるので、フリーランスになったら仕事用の口座を作っておくことがおすすめです。

複式帳簿をつける

青色確定申告をする場合は複式簿記をつける必要があります。しかし複式簿記をつけるためには知識が必要なので、簡単に青色申告ができる会計ソフトを利用するのがおすすめです。複式簿記の勉強をして自分で作成するのも良いですが、フリーランスになってから勉強しようと思ってもなかなか時間が取れないでしょう。他にも、資金に余裕のある方は税理士に確定申告をお願いすることも可能です。なるべくメインとなる仕事に集中できるような方法を選ぶと良いでしょう。

まとめ

パソコンとノートの画像

フリーランスになるためには自分のスキルを磨くことはもちろんですが、他にもやるべきことがたくさんあります。いざフリーランスとして働くことを決めたのに、手続きや準備などで忙しくてなかなか仕事ができないということにならないように事前に知っておくことが大切です。フリーランスになる前にできることをやっておいたり今後のキャリアプランを考えたりしておくことで、スムーズにフリーランスとしてのスタートを切れるでしょう。